露地裏骨董。 気になる商品がございましたら、「商品の問い合わせ」欄からご連絡ください。詳細説明、追加写真などをお送りします。 国分寺市本町2-25-15 ℡ 090-1400-7141 12:00〜20:00(日曜13:00〜19:00)
とても気持ちいいものを聴いた。清浄で、まっすぐなもの。(決して音が爽やかだという意味ではない。)
井上銘さんはピットインでの本田珠也4でのソロが凄かったのでまた聴きたかった。竹村一哲さんは板橋文夫グループでおなじみ。織原良次さんは初めてです。
フュージョンだろうなと思ってたから、ロン・カーターやロリンズやベニー・ゴルソンや富樫雅彦の曲に驚く。特にパウエルの「セリア」! 曲は合議で決めたらしく、これは竹村さんの選曲じゃないかなと何となく思った。違うかな。
織原さんの作曲も三曲。プログレみたいでカッコいいのです。特に一曲目の「ヨゴレタグンジョウ(汚れた群青?)」。覚えておこう。
織原さんはフレッドレスベースなのに(?) メリハリの効いた強い音がカッコいい。
一哲さんは前へ出るタイプじゃないけど、正確で人を乗せるのがうまい。
銘さんは、何て言ったらいいんだろうか。西海岸的な明るい音色と東のロフト的なエモーションをあわせ持ってるという感じか。 何度かゾクゾクさせられる。
この御三人の演奏、何が気持ちいいかって、音がまっすぐで、心から湧き上がってくる音をお互いに投げ合って、それが絡む様子である。 その、「音楽が生まれた瞬間」に立ち会った感じ、です。
時々顔を見合わせて笑ってるけど、音の上でのことだから全然馴れ合ってる感じがしない。
それで、若いっていいな! と思ったのだけど。 (銘さん20代前半、一哲さん20代後半、織原さん30代半ば。)
あ、それ、若さのせいにしていいのだろうか。
この日初顔合わせだからメンバー同士も新鮮だった、ということもあったかも知れないけど、じゃ何年も同じメンツでやったら汚れちまった悲しみの演奏になるだろうか。
「初めて」の新鮮さを何年も何十年も保つのは、精神力の問題だと思う。
たぶん演奏技術より先に衰えていくもの。
清浄さ、清々しさ、まっすぐさだけでなく、音楽には色々な魅力があっていいと思うけど、
「手癖と馴れ合いのフリー」とか、
「昔はキレキレで今はヨレヨレだけど自覚のないフリー」
というのは、フリーなだけにちょっと違うぞと思うのです。
この御三人、来年4月にまた再会するそうです。ノートランクスで。
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ミュージシャンのドキュメンタリーや伝記映画は好きな人に限り観に行きたいほうなんだけど、たいていはワンパターンで、
伝記映画は「幼少時の苦労。努力と運でBIGに。本人も家族(=監修人)もやたらいい人」、ドキュメンタリーは「演奏や歌の映像を途中でぶった切って関係者のインタビュー。これの無限サンドイッチ」みたいな感じ。
ボブ・マーリーもレイ・チャールズもスライもバードもJBも全部それだった。
ので、またかなーと思いながら観に行った。
ところが。
冒頭のプライベートフィルムから、「普通の女の子のディープな物語」に引きずり込まれる。(ようになっている!)
気がつけば滂沱の涙。打ちのめされて、今だにひきずっています。
何というドキュメンタリーだ。
冒頭のほうのエイミーの言葉、「私は時々周りの人の前で歌えればいいの」
「小さなライブハウスで10人くらいの客の前で歌っていたい」。
この言葉はエイミーが亡くなったあとのトニー・ベネットの言葉、「50万人の前で歌いたいジャズ歌手なんていない」に対応している。
この手の対応は至るところにみられ、作り方がうまい。
周りがほっとかないくらい歌が上手かったばっかりに、ね。
彼女は「Lihab」の大ヒット、グラミー賞受賞で一躍有名人になった。
私が知ったのもそのおかげです。
彼女のライブ映像のDVDを持ってるけど、ステージで「パパ、どこにいるの?」と心細そうに語る姿が可憐だった。
パパに依存してるんだなあと思ったけど、この映画を観ると一筋縄ではないコンプレックス(複雑性)だった。
生活からの父親の喪失。その父親に教わったジャズ。父親に喜んでもらえること。
(私も父親不在だが、生まれる前からなのでこういう依存はよくわからないです)
1番印象的で打ちのめされたシーンは、彼女がスタジアムのライブでまったく歌わなかったときの、「ストップモーションの笑顔」でした。
何というショット。
一人の女の子の、絶望と諦めと決意の笑顔。
優れたドキュメンタリーは優れた劇映画とよく似ている。
カサヴェテスを思い出しました。
あるいはファッション性を剝ぎとったグザヴィエ・ドランか。
いやいや、思い出すものがあったというだけで、やっぱり圧倒的なリアリティのドキュメンタリーです。
今年前半観た映画の、ナンバーワン。
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もうツイッターで呟いてしまったので、こちらでもお知らせです。
不動産屋さん経由で、老朽化で店舗取り壊しのため契約をあと2年にしてほしい旨、伝えられました。
実は春にもう言われていたのですが、同じ建物で営業中の店もあるので、公表していいかためらっていたのでした。
老朽化した建物って、古道具屋さんには本望なんだけどね。 まあ、しょっちゅう雨漏りの修理してるし、ねずみも天井走ってるしで、大家さんにとっては厄介物なのかな。
契約が「3年契約好きなだけ再契約」から「2年限定の借地借家契約」に変わったので、立退料とかはありません。(たぶん。)
店の開業が1996年。このままだと「死ぬまでやるのか?」(夫) みたいになりそうだから、いい潮時なのかな。
旅行もしたいし。
やめるときは老眼がひどくなってか、腰痛がひどくなってかのどっちかだと思ってたから、こういうやめ方もあることに驚きました。
で、やめる前はバーゲンをして、モノが少なくなったら、今までの店番さんに声をかけて(たぶん40人くらい?)、二階で展示をしようと思います。
もともと二階は2002年くらいまでは貸しギャラリーにしていて、なかなかいい空間なんです。
人数が多すぎるので、入れ替えて三週間くらいやろう。
お隣さんが先にお出になるならライブもいいな。
なんだかエンディングの夢がふくらんできて困ります。
あ、骨董市はやめないから、そっちでお会いしましょうね。
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blogが商品紹介が少なくてすっかり日常と音楽と映画になっているので、これは昨日のワンツイートですませようかなと思ったのですが、やっぱり一応記録しとこうと思いました。
店番Sちゃんを去年ブロッツマン、纐纈雅代、E.パーカーに連れて行き、最近「またジャズのライブ行きたいな」と呟いていたので、これなら絶対気に入ると思い誘ったのでした。
果たして! 「鳥肌が立った」と。
スネア中心のダレン・ムーアのきれいな音色のドラム。
「私ダレン・ムーアって聴いたことありましたっけ?」とトンチンカンなことを同席の方に訊いてしまい、
「知るかよ!」と言われても仕方ないのに、「低音限界ライブで」と教えて頂きました。
その時に久しぶりの板橋さんを聴いたのでした。
ダレン・ムーアさん、こんなに良かったっけ? あまり印象になかったのです。
板橋さんグループのバラードはミンガスグループのバラードみたいだ。
「ポークパイ・ハット」みたい。
纐纈雅代さんのアルトは、音に艶とスピード感があって、ソロでときどきパーカーのフレーズが顔を出すことがあり、でもでもそんなこととは関係なく、
「私今、パーカーのライブに来てるんだろうか」と思った瞬間が何度かありました。
演奏スタイルは全然違いますよ。何ででしょう。
音の力強さ、音色、勢い、潔さかなあ。音色は大きいと思う。
類家心平さんは、「みるくゆ」ライブ以来、ゾッコンなのです。
それ以前の菊地成孔バンドではすっかりスルーしていたのに。(良さがわからなかった)
コントロールされた多彩な音色で、でも、そのご自分のテクニックを棚に上げて歌い上げる瞬間がたまらない。
今や「日本の宝」だと思ってます。
板橋さんのピアノは求心力があって、締まるんだよなあ。
Sちゃんに「CDで聴いてもピアノから立ち上がるとこはわかんないでしょ?」と言ってたのでそれを何度も観られて大満足。
初めて行ったCOCHIは想像してたより小さなところでした。
ミュージシャンから3メートル先くらいで2時間半ですよ。
もったいなくて震える。
もっともっと多くの人が聴いたらいいのに。
おいしいおかず…たとえばお刺身や天ぷらや鰻の蒲焼きなどをご飯なしで食べるとき、「ご飯と食べないともったいない」と思う派ですが (夫は意味わからん、と言います) そんな感じになりました。
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