露地裏骨董。 気になる商品がございましたら、「商品の問い合わせ」欄からご連絡ください。詳細説明、追加写真などをお送りします。 国分寺市本町2-25-15 ℡ 090-1400-7141 12:00〜20:00(日曜13:00〜19:00)
とっておきの、マイルスです。
とっておきが何人いるんだよといわれそうですが、大事な人のことこそなかなか書けないもんで、今日は、意を決して…。
91年の9月、マイルスが亡くなったときすぐ、くたくたにゃん氏からの電話が鳴った。
「マイルス、死んだね。」
「死んだね…。」
「もう終わったね。」
「終わったね。」
たったそれだけを言い合うために。
終わったのが何なのか、二人とも口にしなかったけど。
そして、その通りだった。
私のジャズ歴はマイルスで始まって、マイルスが亡くなったとき、きっぱり現役の 「ジャズ聴き」 じゃなくなった。
現役 (新譜を楽しみにしてるミュージシャンがいる、とか、新録や新人にアンテナはってる、とか。) じゃなくても、過去の遺産だけで生きていけるし。
マイルスの遺産はたっぷりあって、未発表やブートも数しれなく出て、でも人生残り少なくなってきたし今持っている正規盤だけで十分だと思った。
このCDは、いつだったかなあ、昔たまたま輸入CD屋さんで見かけて、玉石混淆の未発表盤? と思ってあまり期待せずに買ったら、すごい大当り。
その後国内盤も発売されました。
88年、89年のあちこちのライヴを集めたものです。
ケニー・ギャレット(as)が泣かせる。
最初は気の利かないソロしか出来ない不器用な若僧で、マイルスなんでこんなの入れたんだろう、と思っているうちに、マイルスの励ましで (映像で見ると、プレッシャーかけてるとしか思えないが) どんどん上手になり、この中では目の覚めるような、捨て身てひたむきな、泣けるようなソロをやっている。
(マイルスが死んだあとまただめになっちゃった。 強いリーダーのところにいた人はそういう人が多い。)
八十代のマイルスのCDは、「ザ・マン・ウィズ・ホーン」はあまり聴かず、「アマンドラ」「ユア・アンダー・アレスト」「ドゥー・バップ」などは手放し、これは自分にとって最後の傑作と思っています。
(ただ、自分にとってマイルスのピークはやっぱり六十年代、七十年代だと思っていますが…。)
九十年代には、91年パリコンサート、という、これもいろんな意味で泣けるのがあるね。
これからジャズを聴いてみたい、という人に、いつもこう言っています。
「マイルスの音楽と、マイルスグループにいた人たちを追っかけて聴けばいいんじゃない?」
それで全てとはいわないけど、かなりの範囲をカバー出来るよね。
とにかくマイルスは、歴代の奥さんにどれだけ遺産を残したか知らないけれど、私にも残りの人生で使えきれないくらいの遺産を残してくれたのでした。
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作業途中。
こね鉢は場所をとるので、在庫をためないように「売れたら仕入れる」を繰り返しています。
最近仕入れたこれは、大きさも手頃で状態もよいのですが、匂いをかいでみるとニスの匂いがプンプンする。
(この匂いをかいでみる、という行為、骨董業者なら必ずやりますね。
陶器なども、ひっくりかえして高台をみる、コンコンたたく、それから匂いをかぐ、という手順をすばやくやる。
それでその品の前歴を推測するのです。あるいは余分な手がくわえられてないか。)
さて、どうしましょう。 と思うひまもなく、やることは決まっています。
塗装をはがすこと。
家具類ならいざしらず、こね鉢に体内に入ると有害な塗料なんて許されません。
パンもうどんもこねられないじゃないの。
ほんとは、こちらが手をかけないで買われた方が考えればいいことかも、と思うのですが、知らないで有害なのを食材用に使われたらすごくやだ。
というのと、ニス臭のするこね鉢、という存在自体がいやなんだと思う。
漆のようなのになんでなんだろと思いながら、漆だと剥離剤もきかず大変なんだよなと思いながら、剥離剤はこれまた有害だよなと思いながら、バターナイフ一本でコツコツはがす。 はがし用のスクレーバーは木を傷めたりするので、バターナイフが一番いい。
小さいはげのある漆の小皿などを、バターナイフ一本で全部はがすと、とてもいいくりぬき小皿になる。
でも小皿一つでも腱鞘炎になっちゃうくらい大変だ。
そうやって一個二百円くらいで売ったので、とてもわりに合わないんですが。
やりはじめてすぐに後悔するのだけど、そういう物件が来ちゃうとまたやってしまう。 でまた後悔するのです。
漆のちゃぶ台をはがして木地に戻して売ったこともある。
この大変な作業は値段に入れない。
(入れると売れない値段になってしまう。)
お客様にしてみたら関係ないことだしね。
業者の方々は、多かれ少なかれ(モノを無駄にしないために)このような作業をしていると思います。
私は特に、「お母さんモード」というか「余計なお世話モード」というか…。
マイ ファースト 骨董食器。 印判ものを「骨董」と呼んでいいのかな。 買った当時はまだ骨董扱いされていなかったけど、昭和の戦前ものだってもう百年だものね。いいんだよね。
人生最初に買った骨董が、その後の骨董の好みを表わしている、と、聞いたことがあります。
古九谷や鍋島などを買ったらどんどん古手の高級食器に、 印判皿などの庶民的な雑器を買ったら、どんどんビンボーくさいもの全般に。
で私の場合、そのとおりであります。
「昔はどこの家にもあったね。今はどこにもないね。」 というのが自分のキモです。
古い蔵などあって、九谷、鍋島、柿エ門などが日常に使われていたお屋敷育ちなら、そういうものが懐かしいと思うんでしょうが。
昔の方なら 「あらヤダ。猫の食器。」 と言われそうなこの印判鉢は、直径18㎝のこぶりな鉢ですが、漬物にもきんぴらにも何にでも使えて今だにヘビーユース。
だいたい骨董の器というのはヘビーユース&ロングユースになる。
割れたら継いでもなんとしても使い続ける。
そういう気分になるもんだと思います。
前に、同じビンボーくさいもの派のニコニコ堂チョーさんが、「今の百円ショップで売ってるものが、未来の骨董になる。」 と過激なことを言ってたな。
そうかなあ。
普及してるものしか将来懐かしくならない、 という意味ではそうだと思うけど、 ほんとにそう思います?
どうも百円ショップに限らず新品で買ったものには、私なんかは 「飽きたら捨てる。壊れたら捨てる。」 の、使い捨て気分になっちゃうんですけど…。
そういう気分で作られているような気もするし…。
観たそばから正確なタイトル忘れたけど、というのを、観てきました。
ほんとにアクション映画でした。
ティム・バートンのバットマンシリーズか、007シリーズみたい。
ガイ・リッチー監督は、昔の 「ロック、ストック…」 がすごく面白かったので、結構楽しみにしていたのですが、もうちょっと!という感じだったな。
もう少しホームズの推理を楽しみたかったし、イギリス映画らしいおしゃれなユーモアのある会話がほしかったです。
悪役がね、ちょっとショボかった。
悪役は映画のキモだと思うので、もっと重みのある人にやってほしかった。
でもともあれ、ロバート・ダウニー・Jr.のホームズと、ジュード・ロウのワトソンは、楽しめました。
これだけ、といっていい。
フィリップ・マーロウみたいなハードボイルド系の、薄汚いだらしないホームズと、あきれながらもサポートするワトソン。
最近 「ヒロトとマーシー」 のようだ、ということをよく思います。
布多天神にもいるのですよ。
三巧堂さんとYさんを見ていて、 「ヒロトとマーシー」 のようだ、とときどき思います。 (あ、関係のことを言ってるんで、それぞれがヒロトとマーシー並だと言ってるんじゃないですからね。ファンは怒らないように。)
ホームズとワトソンを見ても思いました。
ひょっとしたら世界のあちこちにいる、普遍的な関係かもね、ヒロトとマーシー。
ほんとにアクション映画でした。
ティム・バートンのバットマンシリーズか、007シリーズみたい。
ガイ・リッチー監督は、昔の 「ロック、ストック…」 がすごく面白かったので、結構楽しみにしていたのですが、もうちょっと!という感じだったな。
もう少しホームズの推理を楽しみたかったし、イギリス映画らしいおしゃれなユーモアのある会話がほしかったです。
悪役がね、ちょっとショボかった。
悪役は映画のキモだと思うので、もっと重みのある人にやってほしかった。
でもともあれ、ロバート・ダウニー・Jr.のホームズと、ジュード・ロウのワトソンは、楽しめました。
これだけ、といっていい。
フィリップ・マーロウみたいなハードボイルド系の、薄汚いだらしないホームズと、あきれながらもサポートするワトソン。
最近 「ヒロトとマーシー」 のようだ、ということをよく思います。
布多天神にもいるのですよ。
三巧堂さんとYさんを見ていて、 「ヒロトとマーシー」 のようだ、とときどき思います。 (あ、関係のことを言ってるんで、それぞれがヒロトとマーシー並だと言ってるんじゃないですからね。ファンは怒らないように。)
ホームズとワトソンを見ても思いました。
ひょっとしたら世界のあちこちにいる、普遍的な関係かもね、ヒロトとマーシー。
白磁にグリーンやブルーの二本線。
このシンプルな食器シリーズも、大好きなものの一つです。
日本のグッドデザイン、と思います。
戦中統制品だったり軍用だったり民生品だったりしますが、まあ、同じものです。
で、何かの記念に作られたもの (単に「記念」 と呼ぶ) も、なかなか味わい深いものが多く、その二つが合体したのが、これ。
湯呑みは上から、「完全肥料(屋号入り)」、 「選繭優良賞 昭栄製糸株式会社」、 「震災法施行十過年記念 建物共済」 と書いてあります。
小皿は 「太田病院」。
今みたいにマスメディアの宣伝が発達してなかった時代、何かにつけて 「記念」 を作っては配り、配られたほうに嫌がられていた、(たぶんね。) と推測します。
ものに印刷やエンボスで文字が入ってるのに興味があるという方は、そのうち間違いなく、「紙モノ好き」 になっていく素質があると思っているんですが、どうでしょうか?
扱ったなかで、今までも記憶に残ってる 「記念」 は、「社長外遊記念 国際タクシー」 という灰皿とか 「ポンプ新調記念 何とか村消防署」 湯呑みとかかなあ。
バカだなあ、としみじみ思いました。