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発送時に入れた姿見鏡台分解図。
のっけから結論を言ってしまったけど、日本の中古家具は、とても安いと思う。
先日姿見鏡台が売れて、横浜に配送のため分解した。
買われた方が必要だと思い、下手くそだけど分解図を書いて同封した。
釘もボンドも使ってないからこそ、分解し組み立てられる。
こういう造りだと、傷んだ部分だけつくりなおすことも可能なのだ。
引き出しの奥には隠し箱まで作ってある。
鏡台に限らず昔の家具は、本棚も、引き出し箱も、南京椅子も、全てそう。
釘もボンドも使わず、ホゾ組みや木組みで、いつでも修理可能なように作られていた。昭和30年代までは。
その技術は、継承されるのでしょうか。
技術もさることながら、何より感嘆するのは、使い手の使い勝手と、年月を重ねたときのことまで考えている、という、その心だ。
いつからこういうものが売れなくなって、日本の家具職人が苦しんできたかというと、はっきり1980年代からです。
安いアジア製で価格破壊が起こった。
それまでは日本に大量生産のブームがきても、高くてもいいものを、と思ってる層に支えられて、何とか職人仕事も生き残ってこれた。
今、昔並みに手の込んだ物を望んでも、職人がいないか、手を出しにくい値段になるでしょう。
中古家具は、たいてい一万円前後から手に入る。(まだ。)
で、冒頭の結論です。
って、本当はそういうことを言いたいんじゃなくて、「いい職人がいいものを作って、それで食べていける世の中になってほしい。」ということなんです。
りょう(ルオーあらため)が分解の間ずっとくっついて見てて、「ほら、すごいよねー。」と言い合った。
りょうのお父さんは、内装業を自営していたが、本業で食べていけないそうだ。完全主義の職人らしい。
「完全主義者の内装業」?
食べていけないに決まってるじゃん!
銅のやかんが好きなので、市場でもこむかい(同業者の店で売ってもらうこと。仕入値にしてもらう)でも、よく仕入れる。実際に水をいれてみないと使えるものかどうか分からないので、ある意味賭けである。最近仕入れた二つは失敗。激しく水もれ。(底に穴がなくても、溶接部分からもるのだ。)業者の一人は確信犯、一人は知らずに売ったみたい。そういうものは店で売るわけにいかないので、(もります。おとしをいれて、花器などに、と書いて買値を無視した値段で売ることはある。)自然、我が家はもれヤカンだらけ。この商売してると、「お宅には素敵なものが、さぞかしいっぱいあるでしょう」とか「インテリア素敵でしょう」とか、よく言われるけど、とーんでもござんせん!食器はニュウやカケがあって売り物にならないものばかりだし、部屋には、修繕しなければならないモノが、いつまでも修繕されずに山積み。家族のひんしゅくを買っている。同業者も同じことをよく言われるらしく、お互いの家を知ってる者同志、笑っちゃうしかな
い。