露地裏骨董。 気になる商品がございましたら、「商品の問い合わせ」欄からご連絡ください。詳細説明、追加写真などをお送りします。 国分寺市本町2-25-15 ℡ 090-1400-7141 12:00〜20:00(日曜13:00〜19:00)
ルー・リードの歌声は麻薬みたいだ。
あるいは御詠歌みたいだ。
リプレイで聴き続けていると、 やめられなくなるくらい快感。
彼のコンサートに行ったのはスタジオ録音盤 「レイヴン」 が出た直後だから、 もう十年くらい前でしょうか。
私の 「人生三大よかった!コンサート」 の一つに入ります。
なんにもないステージ。
シンプルなスポットライトを浴びて演奏する、 黒いTシャツにジーンズの彼。
まわりは闇。
それを見て、 強く思いました。
ここがニューヨークだ、 と。
(…行ったことないんですけどね。)
「ニューヨークとは、 ルー・リードが立っている場所のことだ。」 と。
そこが ダーティーブルバードだ、 と。
ルー・リードの目は深い。
マイルスの目にちょっと似ています。
人生でいろいろなシーンを見てきて、 そのなかの辛さ悲しさのぶんを忘れていない目です。
このDVDは最近買いました。
ロラバルーザ・フェスとは 「ラウド系中心オルタナ系も少し」 という、 咋今のジャンル分けに疎い私にはなんのこっちゃ、 ですが、 要するにアウェーであったらしい。
ルーは声の艶や伸びが多少落ちたものの、 そんなことどうでもいいの。
ますます過激なノイズ・インプロヴィゼーションを繰り広げていて、 アウェーの客をのせていく。
もうびっくりです。
老いてますます過激って、 何なの? と思ってしまう。
老境に至っても、 枯れない、 しぶくならない、 味わいを売りにしない、 というのは、
たぶん、 若いときの 過激さ、 過剰さ、 人生に対するなんらかの違和感、 異議申し立て…、 そんなものが、 よっぽど強かったからに違いないと想像します。
具体的な事が何かはわかりませんが、 そういうことなんだろう、 と。
納まりのつかない人なんでしょう。
共演者ではテナーのウルリヒ・クリーガーという人がすごい。
いきのいいときのA・シェップみたいな、 デビッド・ウェアみたいな太いフリーキーな音で。
こんな力ずくの壮年ミュージシャンや、 メタリカとかと演っても全然力負けしていないのが約70歳のルー・リードなのでした。
あ、 昔コンサートを観たとき、 もう一つ思ったことがありました。
彼はヴェルヴェッツ時代にウォーホルのファクトリーに入り浸っていろいろやったり (まあ、 反モラル的なことも)、 お化粧したりヒラヒラの服着たり。
それが今はシンプルこの上ないステージと着たきりの黒Tシャツでしょ。
昔の彼がバカだったとは思わないけど、 とにかく好き勝手やってたわけで。
でね、
「バカはやったことがありません。」 という人より、 「さんざんバカやったけど、 飽きてふつうになりました。」 っていう人のほうがずっとすてきだなあ、 と思ったのでしたよ。
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