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2024年04月27日 (Sat)
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2011年12月05日 (Mon)
考えてみたら、 いや、 考えるまでもなく、 こんなサイドエピソードなんかすべて、 ただ演奏さえ聴いていたら感知できることの域を越えていないので、 ファンには必要ないことばかりだ。
きっと私が楽になりたいだけなのですね。 だからこれでおしまい。
見たことを思い出してみます。

※  本好きだった。
街を歩いていると、 通りすがりのどんな小さな本屋でも入りたがった。
ひとまわりしてすぐ出てくるのだけれど。

※  ライヴスタッフの金沢史郎さん(故人)が、 
「系譜として、 チャーリー・パーカー→ ドルフィー→ 阿部薫、 と考えているんですよね、 僕は。」
と言う。
阿部さん、 否定も肯定もせず、 ニヤニヤ。
(間違ってないよ、 というニュアンスだったな…。)

※  店の廊下でねっころがって読んでたのは、 山の本。
でも北海道の山は標高が低いので興味ない、 という。

※  阿部さんの一人称は 「ぼく」、 二人称は 「きみ」 だった。
相手が男でも女でも、 子供でも。
話し方も態度も、 品の良さを感じさせた。 
「川崎の不良少年」 どころか、 むしろ 「坊ちゃん育ち」 というおもむきがあった。
 
※  ライヴをやるところが 「バッチイ店」 だと感じたら、 黙って手抜き演奏するか、 はやばやと切り上げる。 
阿部さんのいう 「バッチイ」 がどういう意味なのかよくわからないけど、 これはかなりこわい。
店から感じ取るアウェー的な雰囲気か?
逆にその空間が気に入ると、 ノーギャラでも超真剣に演奏する。
客がいてもいなくても、 「イスに向かって吹く。」 (本人弁。)

※  いつもホテルを借りてあげるお金がなかったので、 私のアパートをさしだした。 (せっかく一人にしてあげたのに、 店までついて来て所在なげにしているが。)
あるとき部屋へ戻ったら、 私の本棚から三冊の本が抜き出されてベッドの上にあった。
「三島由紀夫 VS 東大全共闘」
「村山塊多全集」
「クロンシュタットの叛乱」。
(阿部さんらしい、 と思った。)
村山塊多について、 「こいつ、 遺書ばっかり書いてんな。」

※  亡くなる一週間の、 東京からの電話。
東京についたとたん、「やくざとケンカして怪我した。」
でもともあれ話せてるんだ、 と心配はしなかった。 
ケンカは多かった。
売られたら、 とりあえず買う。 相手がだれであっても。 
ボクシングの心得があるから、 けっこう強い。 (本人弁。)

※  軽い吃りがあった。
でも、 楽器のことを話すときだけは、 不思議と吃らなかった。

これだけかなあ。 少ないな。
以下は、私の個人的な見方です。
「阿部の店での演奏記録は私のものだから、 墓場まで持っていく。」  とおっしゃったジャズ喫茶のママがおられましたが、 そういうのはいやだなあと、ずっと思ってました。
阿部さんが亡くなられたとき、 電話にでられた鈴木いづみさんに 「葬儀に行ってもいいですか?」 とお伺いしたら、 いづみさんはとても落ち着いたおだやかな声で、
「どうぞ。 阿部は、 みんなの阿部ですから。」
とおっしゃいました。
いづみさんは最後までよき理解者だったのだと私は思っています。

小説 「エンドレスワルツ」 も、 その映画化されたものも、 どこかの一組のカップルのお話であり、 阿部さんやいづみさんを感じさせるものは私にはなにもありませんでした。

阿部さんに似てるなあ、 と思った映画はほかにあって、
レオス・カラックス監督の三部作、 「ボーイ・ミーツ・ガール」、 「汚れた血」、 「ポンヌフの恋人」 の主人公アレックスです。
いつも眠そうな目をしている阿部さんが真剣な目をしたとき、 すわった目をしたとき、 アレックス (男優ドニ・ラヴァン) にそっくりでした。
小柄なところも似ています。
なによりもまとっている空気のようなものが似ていて、 過激に純粋、 というか、 破滅的に純粋、 というか、 ギリギリの崖っぷち感、 というか。
観るたびに、
阿部さんを思い出します。



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