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2024年11月24日 (Sun)
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2011年10月13日 (Thu)
「上海リル」 という楽曲は、 昭和8年の映画、 「フットライト・パレード」 の主題曲です。
翌年日本でも大流行して歌詞が作られ、 昭和15年まで、 競作のオンパレードでした。 
(極めつけはディック・ミネのだと思いますが…。) (あ、リアルタイム体験じゃないからね。 念のため。)
比較的最近のでは吉田日出子が情感豊かにはかなげに歌っていて、 これもとてもいい。

〈  明るいシャンデリア  輝く杯 (さかずき)
   麗しきジャズの音に  踊るは上海リル
   今日はこのお方と  明日はあの方と
   悩ましき姿は  私の上海リル  〉

昔 (2002年だったか)、 屋号を変えようかなと思い立ったとき、 当時高校生の娘に、
「リルさんってね、 横浜のキャバレーの踊り子だったのね。
戦前の軍国主義を嫌って自由な上海に渡った恋人のジャズマン (ホーン奏者だと思う、 たぶん。) を追って、 リルさんも上海に渡ったのね。
で、 戦争のどさくさではなればなれになり…、」
なんて、 見てきたような嘘、 というかでたらめの作り話をして聞かせたけど、 ( 「上海バンスキング」 と 「港のヨーコヨコハマヨコスカ」 が入り混ざってるな。)
ほんとはずっと古い歌だったんでした。

戦後は、 アンサーソングのオンパレード。
リルのその後を心配? して、 昭和26年に作られたのが津村謙の歌う 「上海帰りのリル」 で、 大ヒットしました。
店で歌い出すおじさまは必ずこちらの方です。

その後、 「リルを探してくれないか」 (津村謙)
「心のリルよなぜ遠い」 (津村謙)
はては、
「私がリルよ」 (名前忘れたけど女性歌手)
「私がリルの妹よ」
なんてのまで出た。
妹が出てきてどうすんの。
リルというロマンで、 悪ノリ気味に遊んできたんですね。

で店では、 扱うものが昭和初期から昭和30年代までのものが多いことと、 この 「ずっと想像で遊び継がれてきた」 というところが気に入ってたので屋号にしたんだと思います。 今思うと。

「屋号を 上海リル に変えたよ。」 と当時母に伝えたら、
「え、 ヒキアゲシャじゃない!」 と言った。 (高齢者ゆえ差別的言辞ご容赦下さい。)
笑った。
娘と練り上げたロマンが一瞬でかたなしである。
それを言うなら自分だってニュウショクシャのムスメのくせに。

ちなみに、母に銘仙の着物を見せたら、 即座に 「女中の着物!」 と言った。
こやつに骨董趣味は無理だと思った。



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