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2024年11月24日 (Sun)
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2010年01月29日 (Fri)

蝋細工が美しい、古い内蔵標本。


古物には医療関係、実験室関係、というジャンルがあります。
クスリビン、フラスコ、試験管、という比較的ライトなものから、血沈台、点滴台、手術室ライト、診療ベッド、というディープな?ものまで、私は全部、OKです。
OKというのは、そういうのが苦手という方が意外に多い、と知ったから。
なぜ自分は、平気どころか積極的に仕入れてしまうんだろう、と思って、(今更だけど)最近思い出したことがありました。

十歳前後の頃だったか。
親に連れられてよく行っていた、大学の古い木造の建物。( 解剖関係?象の頭など解剖してた。)
廊下に木製の長い棚が何段もあって、そこに人間の頭蓋骨がびっしり、整然と並んでいた。
流木のように乾いた色をしていた。
親がそこで何してたのか、勉強していたのか働いていたのか、知らない。
私は今でも人間の大量の頭蓋骨の匂い、というものをはっきり思い出せる。
いやな匂いじゃなかった。
甘いような薬くさいような乾いたような。
漢方薬(大田胃散とか)の匂いが近いかもしれないです。
私この人が好き、とか、マイ フェバリット 頭蓋骨を選んだりして遊んだ。
あの頭蓋骨たちはいったいどこから来たんでしょう。

なぜ母が職場?に私をいつも連れていったかというと、預け場所に困ったからかもしれないんだけど、ある企みがあったんだと思う。
私を理系の職業を持つ人にしたい、という…。
医者か薬剤師か研究者か知らないけどとにかく「白衣を着る人」になってほしかったことは確かで、(「キューリー夫人伝」など与えられたし。)多分そのための馴らしなのでした。(しかし今思うと、荒っぽいやり方だ。)
だから実験器具類が平気なのも当然だと思う。

まあなんにせよ、親が子供の未来を設計するのは、間違っているし、ムダだと思います。
私は二十歳で自由で無頼の身となり、以後は、もやもやした文系的ビンボー生活を送って、理系学問などは小学生高学年どまりの(←あやしい!)、白衣ならぬ「毎日ジーンズの人」となってしまったのでした。



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