露地裏骨董。 気になる商品がございましたら、「商品の問い合わせ」欄からご連絡ください。詳細説明、追加写真などをお送りします。 国分寺市本町2-25-15 ℡ 090-1400-7141 12:00〜20:00(日曜13:00〜19:00)
市場では、よく油絵や水彩や版画などがセリにかかります。
「実際に描かれてる絵」 は、どんなにシロウトっぽくても、印刷より評価が高い。
この絵がセリ台にのったとき、 あら、なかなかよく描けてるじゃん、 素質あるよこの人、 と思って買った。 (セリなので一瞬の判断なのだ。)
店に運んでからよく見たら Picasso のサインが。 (複製だよ、もちろん。)
失礼しました。 巨匠ピカソさんに、めちゃくちゃ上から目線で。
でも、額にかなり時代もあり、なかなか上質な複製だったのでした。
じつは、どんな下手な絵でも描かれてると評価が高い、というのがいまいちよくわからないでいる。
(売れるってことね。 この業界の評価基準ってそれしかなかったね。)
私は中身より額目当てで買うことが多くて、生の絵はつまらなければキャンバスとしてあげちゃったりする。
私なら、複製でもいいから、心底好きな絵と暮らしたいなあ。
なんだったらカラーコピーでも雑誌の切り抜きそのままでもいいな。
ここにまた、売れセンものと自分とのズレを発見…。
sold out
店頭にブリキのまゆ皿の山を積んでおいたら、「あら、なつかしい!」 という女の方の声が。
市場にはよく養蚕、製糸関係の道具が出るが、八王子や奥多摩や飯能方面の産業だとなんとなく思い込んでいた。
その方によると、小金井、国分寺あたりも養蚕農家と桑畑だらけだったとか。
まゆ皿は好きなアイテムで、(紡ぎ機も素敵だけど、なんせ置けない) 今までもずっと扱ってきたが、なつかしい!という方がいて、なんか嬉しかったです。
写真の厚紙は、蚕種紙と言って、この上に小さく仕切られた蚕の棚を置いて卵を産ませるためのもの。
明治時代のもので、おもに北関東で使われていたものです。
日本の蚕は質が高く、そのまま輸出もされていました。
と、わかった風なことを言ってみたけど、実は分けていただいた業者さんの説明のままに 「かいこの成長記録紙」 と書いて骨董市で並べていたら、通りすがりのおじさまが 「それは違う。」 と正しい知識を伝授してくださったのでした。
まったく、お客様は生き字引です。
で、この紙、骨董市で買ってくださったのは、全員外人さんでした。
(ね、しぶいでしょ。)
何の紙か、英語で説明するのが大変でしたけど。
(かいこ、がまず言えなかった!)
まるで、現代陶器のようでしょう?
このモダンでシンプルなシェイプにやられて、いつかはほしいとずっと思っていたものです。
これは江戸時代の丹波焼。
大きくて、存在感あります。
船の中で倒れないように、底広がりの、用の美。
眺めていて、自分が所有したかったのか、ただ「扱いたい」と思ったのか、もはやわからなくなっている。
とにかく気のすむまで眺めていたいだけで、気のすむときが来るかどうかは自分でもわからない。
ほとんどの気に入ってる仕入れって、そんなものです。
古陶はいい花器になるだろう、と思いがちですが、ほんとは、何もいれない姿が一番いいのです。
それだけで充足しています。
逆にいうと、花器にしたらいい、と思うものは、たいしたものじゃないと思います。