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2024年11月24日 (Sun)
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2011年12月23日 (Fri)

これは、 ジャコメッティのオブジェの写真。
この手の部分、 何だと思います?
古道具業界の人なら、 気づく人も多いのではないでしょうか?

これね、 ゴム手袋製造用の型。
これ見たときまず、 くやしい、 ずるい! と思っちゃいました。
やられた、 って。
(ほんとはこれで何か作るなんて思いつきもしなかったくせにね!) 

なんででしょう。
好きなアーティストのなかで、 「くやしいアーティスト」 って、 いるのです。
たとえば自分にとっては、 大竹伸朗。 オオタマサオ氏。(のオブジェ。 写真はくやしくない。)  横尾忠則。 ティンゲリー。 バスキア。 当店スタッフりょう。 森山大道。 東松照明。 このジャコメッティ。

廃材、 部品、 ガラクタを材料にしている作品は、 特にくやしいことに気づいた。
ということは、 道具屋として、 くやしいんだな。
拾い物が趣味の友人に、 こんなの拾ったよ、 と見せられて、 あー、 いいないいな、 ずるいー、 と思うのと同じかな。
大竹伸朗に関しては、 でっかい自由の女神やボーリング場に乗っかってるピンや、 船底の板などを拾ったりもらったりしてて、 あー、 いいなー、 っていつも思う。
私だって、 こんなもん拾ったんだからね、 …って、 何のライバル心だ?
(買ったと聞くと、 全然うらやましくないんだな、 これが。)

つきつめていくと、 なんだか低次元の話になってきたな。

すごく好きなのに、 ただただすごいなと思うだけで、 ぜんぜんくやしくない人もいっぱいいる。
たとえば、 ピカソ。 ダリ。 クレーに、 熊谷守一、 木村伊兵衛、 まだまだ。
ドローイングでは、 どうやら 「落書き風」 がくやしくて、 「端正」 がくやしくないみたいだ。

「くやしかったら、 自分で描くか作るかしかないですよ。」
と、 スタッフりょうくんが言う。
だって拾い物は一点ものなんだもの …。
(やっぱり材料がくやしかったのか。)
それに自分で作っても、 出来が悪いにあらかじめ決まってるから、 やっぱりきっと、 永遠にくやしい、 と思うのだよ。
私はせいぜい、 売るための、 即席の 「道具屋の小工夫」 しかしていない。
 
そう言えば最近、 チョーさんも、 木の枝に足をつけたりアルミホイルを針金でしばって目鼻をつけたりした作品を、 店に並べて売ってたな。
みんな、 何かやってる。
そのうち何人か募って 「道具屋の小工夫展」 でもやりましょうか。



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2011年12月21日 (Wed)

裸にファー。
ビッグな成り上がりロッカーはこうでなくちゃね。
彼はね、 デザイナー家具がいっぱいの超モダンな豪邸に住んでるの。
そうでなくちゃね!



前回の来日公演を、 ドタキャンされたのです。
「急な体調不良」 という理由だったけど、
直前に出たアルバムの売れ行きが悪くて、 ふてくされたとみたな。
アルバムがだんだんつまらなくなっていった落ち目のロッカーだけど、 せっかく行ってやろうと思ったのに! と悪態ついた。 
このヘタレのロッカーが。
もう行ってやるもんか。

って、 思ってたのに… 。
買っちゃいました。 来年4月の公演のチケット。
すぐ転ぶ私。
14年ぶり単独公演… 。
最後のロッカー… 。(誰が決めたんだ?)
現代のジミヘン… 。
いろいろ心に浮かんでね。
昔のCD聴いて、
やっぱり好きだなあ、 と。
しょうがない、 困った子だけど面倒みるよ。
(たかがチケット買ったぐらいで、 でかい顔。)
またドタキャンされるかなあ。




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2011年12月12日 (Mon)
ジャズボーカルの定義というものが、 よくわからない。
(昔からわからない。)
バックがジャズ演奏である、  とか、
その演奏と即興でインタープレイしてること、  とか、
自己流のくずし方、  とか、
スィングしてる、  とか、
ブルーノートを多用、  とか、
アドリブでスキャット、  とか、
いろいろ考えたけど、
そういうことでもないような気もするし、

フライドプライドやマデリン・ペルーなどは、 ジャズボーカルとは思わないけど、 それはそれでいいと思うし、
某・日本の中年シンガーは、 一見ジャズボーカルだけど、 ちっともいいと思わないし、
「ムーディーに歌う美人ジャズシンガー」 という売り込みなのは、 それだけでただの下手くそなムード歌謡の気がするし、

いっそ、 サッチモ、 ビリー・ホリディ、 エラ、 サラ、 アニタ、 カーメン の歌をジャズボーカルと呼びます、 と規定したらどうか? (他にもいると思うけどひとまずね… 。)

定義はわからないけど、 感覚ではなんとなくわかる気がしていて、
JUJUの 「バードランドの子守唄」 は、 とりあえずジャズボーカルではない、 と、
それだけは思いました。
(じつはこれをラジオで聴いて、 ウーン、 と考えていたの。)





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2011年12月05日 (Mon)
考えてみたら、 いや、 考えるまでもなく、 こんなサイドエピソードなんかすべて、 ただ演奏さえ聴いていたら感知できることの域を越えていないので、 ファンには必要ないことばかりだ。
きっと私が楽になりたいだけなのですね。 だからこれでおしまい。
見たことを思い出してみます。

※  本好きだった。
街を歩いていると、 通りすがりのどんな小さな本屋でも入りたがった。
ひとまわりしてすぐ出てくるのだけれど。

※  ライヴスタッフの金沢史郎さん(故人)が、 
「系譜として、 チャーリー・パーカー→ ドルフィー→ 阿部薫、 と考えているんですよね、 僕は。」
と言う。
阿部さん、 否定も肯定もせず、 ニヤニヤ。
(間違ってないよ、 というニュアンスだったな…。)

※  店の廊下でねっころがって読んでたのは、 山の本。
でも北海道の山は標高が低いので興味ない、 という。

※  阿部さんの一人称は 「ぼく」、 二人称は 「きみ」 だった。
相手が男でも女でも、 子供でも。
話し方も態度も、 品の良さを感じさせた。 
「川崎の不良少年」 どころか、 むしろ 「坊ちゃん育ち」 というおもむきがあった。
 
※  ライヴをやるところが 「バッチイ店」 だと感じたら、 黙って手抜き演奏するか、 はやばやと切り上げる。 
阿部さんのいう 「バッチイ」 がどういう意味なのかよくわからないけど、 これはかなりこわい。
店から感じ取るアウェー的な雰囲気か?
逆にその空間が気に入ると、 ノーギャラでも超真剣に演奏する。
客がいてもいなくても、 「イスに向かって吹く。」 (本人弁。)

※  いつもホテルを借りてあげるお金がなかったので、 私のアパートをさしだした。 (せっかく一人にしてあげたのに、 店までついて来て所在なげにしているが。)
あるとき部屋へ戻ったら、 私の本棚から三冊の本が抜き出されてベッドの上にあった。
「三島由紀夫 VS 東大全共闘」
「村山塊多全集」
「クロンシュタットの叛乱」。
(阿部さんらしい、 と思った。)
村山塊多について、 「こいつ、 遺書ばっかり書いてんな。」

※  亡くなる一週間の、 東京からの電話。
東京についたとたん、「やくざとケンカして怪我した。」
でもともあれ話せてるんだ、 と心配はしなかった。 
ケンカは多かった。
売られたら、 とりあえず買う。 相手がだれであっても。 
ボクシングの心得があるから、 けっこう強い。 (本人弁。)

※  軽い吃りがあった。
でも、 楽器のことを話すときだけは、 不思議と吃らなかった。

これだけかなあ。 少ないな。
以下は、私の個人的な見方です。
「阿部の店での演奏記録は私のものだから、 墓場まで持っていく。」  とおっしゃったジャズ喫茶のママがおられましたが、 そういうのはいやだなあと、ずっと思ってました。
阿部さんが亡くなられたとき、 電話にでられた鈴木いづみさんに 「葬儀に行ってもいいですか?」 とお伺いしたら、 いづみさんはとても落ち着いたおだやかな声で、
「どうぞ。 阿部は、 みんなの阿部ですから。」
とおっしゃいました。
いづみさんは最後までよき理解者だったのだと私は思っています。

小説 「エンドレスワルツ」 も、 その映画化されたものも、 どこかの一組のカップルのお話であり、 阿部さんやいづみさんを感じさせるものは私にはなにもありませんでした。

阿部さんに似てるなあ、 と思った映画はほかにあって、
レオス・カラックス監督の三部作、 「ボーイ・ミーツ・ガール」、 「汚れた血」、 「ポンヌフの恋人」 の主人公アレックスです。
いつも眠そうな目をしている阿部さんが真剣な目をしたとき、 すわった目をしたとき、 アレックス (男優ドニ・ラヴァン) にそっくりでした。
小柄なところも似ています。
なによりもまとっている空気のようなものが似ていて、 過激に純粋、 というか、 破滅的に純粋、 というか、 ギリギリの崖っぷち感、 というか。
観るたびに、
阿部さんを思い出します。



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2011年12月05日 (Mon)
入院中の母のことも影響あるのか、 どうも私は最近 「死に準備」 というものを軽く始めたい、 みたいで。
先日も夜中ベッドの中で、 子供たちに言い残しておくこと、 というのを一生懸命考えておりました。
そしたら。
「カラスは乳製品が好物なんだから、 マヨネーズやヨーグルトの容器はよく洗ってから捨てないとゴミ袋が荒らされるんだよ。」
というのが、
真っ先に、 断固として! 心に浮かんできて、  (荒らされたことがあるのだ。) 
そしてそれ以上いくら考えても、
なんにも出て来ないのでした。 
これだけじゃなんなので、 継続してなんか考えます。
(もうひとつ。 男の人とのお付き合いについて、 というのもあるけれど、 すでに娘に昔言ってある。)

話はかわるようでかわってないのですが、
昔、阿部薫さん(as) の本 (「阿部薫覚書」) を作ろうと思ったとき考えていたことは、 阿部さんの演奏記録、 言動の記録、 その断片の集成、 ということだけでした。
多くの方の 「自分の知っている阿部薫」 を集めた合わせ鏡は、 実像をイメージするのに役立つだろう。
合わせ鏡は多ければ多いほどよい。
そう思って当時存じ上げてる限りの、 接触のあった方々に原稿をお願いしました。
情報量は不充分でも、 次に続くものへのたたき台になれば意義もある、 と思ったものでした。
(実際、 のちの文遊社版「阿部薫1949ー1978」のたたき台になりました。)

でも、 のちのちの人たちの、 評価、 判断、 思い入れ。
その材料を丸投げにするためには、 記録をもっともっと集成したかったなというのも、 事実。 

で、 いま私が死んだら、 私が知っている阿部さんというものも墓場まで持っていくことになるのだなあと思いいたったわけです。
ここらへんで知っていることのすべてを吐き出しておいたほうがいい、 と、 このところ思っていました。
カラスの話と違って、 阿部さんのことは言っとかないといけない気がするので… 。

なので、本には書かなかったことを、 思い出すままに、 断片的に、 書いていこうと思います。

いま確実にいるファンと。
これから確実に生まれるファンのために。
それだけです。
私だってほかの方のお話を、 たとえ藁一本分だって、 新しく知りたいのだから。

まずは 「言動」 の 「言」 の方から。

※  「コルトレーンは、 神のスカートの下にもぐりこんでしまったんだ。」

※  私 「ロックにもフリー(ジャズ的なもの) ってあるのかなあ。」
阿部、 即答。 「ないよ。 連中はあるって言ってるけどね。」

※  (日本のある人気フリージャズミュージシャンについて) 
「あれはね、 インプロヴィゼイションじゃなくて、ただの手癖だよ、 手癖!」

※  「構造主義はもう古い。」
私 「弁証法は?」
「弁証法なんてもっと古い!」
(すみません、 70年代の会話ですから… 。)

※  「ミルフォード (グレイブス) には、 俺のバックで吹くな! と言われたんだ。」

※  「個、 と、我、 の違いについて、 考える。」

※  「オーネット・コールマンは、 フリーという斧を振り上げてみて、 あまりの重さによろよろしておろしちゃったんだよ。」

※  「間章からいつも夜中に酔っ払って電話かかってくるんだ、 ジャズは死んだ、 って。
関係ねえよ! って言うんだ。」

※  「ピアノの弦切ってもいいですか?」
(ピアノのあるところに行きたいというので、 札幌の 「コンボ」 というライヴハウスに案内した。 もちろんマスターに断られ、 一般客が誰もいないのに、 自らすすんでアルトを吹いた。 )

※  「一つの会社に定年まで勤め上げたサラリーマンを、 心底尊敬する。 僕にはとても出来ない。」

※  「薬学事典を全巻持っていて、 全部読んだ。 薬のことは知りつくしている。」

※  (ほかの場所に演奏に行って帰ってきて、 「どうだった?」 とたずねると)
「うん、 建物をみたとたん、 眠くなった。」
(…意味不明。)

※  (ライヴで録音していた人がいますよ、 と教えられ、)
「ああ、 いたね。 やらせときゃいいさ。」

※  (打ち上げの席で、 まわりの男の子たちに、) 若松考二 「13人連続暴行魔」 について楽しそうに笑いながら、
「まいったよ。 もう、 ヤッてばっかりなんだよ!
(私に) きみは観なくていいさ。」
(でも後日観ちゃいました。)

あら、 これだけかなあ。ほんとに 「藁一本分」 かも。
また何か思い出すかもしれない。
続きます。




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