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2024年11月24日 (Sun)
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2012年03月04日 (Sun)

子供達がまだ小さかったとき、 家でイラストの仕事をしていたことがありました。
契約の、 ポストカードの原画描き。
だいたい三、四枚に一枚のわりでボツになるので、 私は途中からいつも一つのお題に最低二枚は仕上げていた。 (数打ちゃあたる方式… 。)
だから、 ワリのよい仕事だったのかどうかわからない。
(ポストカードのイラストは、 「怖い、 暗い、 不気味」 はご法度なんである。)

そのときも、 そのはるか前に油絵を描いてたときも、 痛感していたことがあります。
下絵、って描いてみたりするでしょ。
すると、 描きたい衝動も、 無我夢中さも、 タッチのいきおいも、
要するに全部のエネルギーが、 下絵のほうに出ちゃうのね。
そのあとに本番にとりかかっても、 もう、 燃えカス。
ただ写すだけの、 至極つまんない絵になっちゃうので、 下絵は描かないかあっさりと、 と心得ました。
売り絵だったらどうでもいいのかも… だけど。

こんなちっぽけな体験と比較しちゃって、 まことに恐れ多いのですが …、 古いイギリスのスリップウェアのいきおいに比べて、影響を受けて作られた益子のものは、  いかに作家ものとはいえ、
 「写しは写しだなあ。」
と思ったのでした。
いきおいはないけど、 違う良さはあるように思います。
「茅葺きの家の炉端が似合う。」 と思ったのは先入観でしょうか。

スリップウェア、 日本でいえば石皿にあたるような実用の器です。
イギリス製のダイナミックな柄は、 アフリカの泥染めのようでもあり、 植民地だった国の影響かなと思いました。
宗主国も植民地文化の影響受けないはずはないと思う。

長く使われてできたシミやカトラリーのキズ、 釉がかかっていないフチのカケや変色、 
そういうものがさらに風格を作っています。

実はね、 こういう展示にいくと、 いつもこっそり思うことがあるのです。
「この列 (または部屋) のなかで一つだけあげると言われたら、 どれがほしい?」
大皿は、 骨董市に持ち歩くと (売るのか!?) 重いし、 即割っちゃいそうなので、
結局一番欲しかったものは、 これ。


漢の緑釉みたいな色の、 イギリス14世紀のジャグ。
(はい、 下世話な鑑賞法でした。)

新モノを使い続けても、 その風格を出すには間に合わないしな、 (三世紀くらい必要。) とか、
古いフチのカケと私がつける新しいカケとは違うしな、 (新しいカケはなんてみっともないんだろう!) とか、
どこまでも下世話な感想… ですが、 
とても見応えがありましたよ。

3月25日まで。 駒場の日本民藝館。




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2012年02月10日 (Fri)
「J・エドガー」 を観て、 遠くまできたなあ、 と思ったの。
「バード」 あたりから、 なんだかどんどん風格ある映画を作るようになった C・イーストウッド。
今や押しも押されもせぬ巨匠ですね。

「許されざる者」 も 「ミスティック・リバー」 も 「ミリオンダラーベイビー」(これはエンディングがあんまりだと思ったが) も 「グラントリノ」 も 「ヒアアフター」 も、 凡百の映画に比べたらとても面白いし、 大好きなんですけどね…、

イーストウッドの魅力、 って、 もうちょっと違うところにあったんじゃないかなあ? って思っていました。
自分にとってのベストは、 結局、 「ブロンコビリー」 だったり、 「アウトロー」 だったり、 「恐怖のメロディー」 だったり、
 主演作では 「サンダーボルト」 だったり、 「ダーティーハリー」 だったり、 「続・夕日のガンマン」 だったりするわけです。
おお、 ベストがいっぱい!
でも、 ほかに駄作もいっぱい。
 
「ガントレット」 のありえないけど爽快なラスト、 とか
まぶしそうに目を細める表情、 とか、
めちゃ運動神経のよさそうなキレのある動き、 とか、
噛みたばこをペッ、 とか、
皮肉とユーモアのきいた会話、 とか、
そんなのが恋しい。
B級的娯楽のなかでちらっとのぞかせる、 A級のヒューマニズム&センチメンタリズム&ダンディズム。
そういうのが身上じゃないかなあ。

ダーティーハリーのように動けとは言わないから、 監督作品でまたちょっと作ってくれないかな。
めちゃくちゃ楽しくてそのくせセンチな、 B級娯楽作品。

サンフランシスコ市警のオフィスには、 壁に 
「ハリー・キャラハン、 ただいま出張中」
 という貼紙があるそうです。 
これ、 好きな話です。




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2012年02月06日 (Mon)
私はハイテンションな演技というものがかなり苦手で、 NHKの朝ドラとか民放ドラマとかで主役がそういうタイプだと、 まず観ないのです。
人が、 いつも明るく元気に怒鳴ってるようなやつ、 ね。

この映画も、 出てくる人のハイテンションぶりが気になって仕方なかった。
特に茶沢さん (二階堂ふみ)。
それから河原に住み着いている人達。
あの話し方と、 詩のフレーズを大声でそらんじたりするところは、 まるで昔のアングラ劇団の芝居のようで、
本当に芝居だったら、 その気分だからいいんだけど。

中学生くらいの子を扱った映画というと、 私は、
岩井俊二 「リリィ・シュシュのすべて」 が、 一つの基準なのです。
これを超えてるかどうか、 で観てしまう。
(「告白」 もそうでした。)

「リリィ・シュシュ」 は、 甘い少女マンガ的ファンタジーに包まれており (岩井俊二のはすべてそうですが)、 
この映画もあまりありえない境遇の設定とか暴力の多用とかで同じくらいファンタジーかと思うんだけど、
いずれにせよ、 心情がリアルに感じられたらそれでいいわけで、
私には、 「リリィ・シュシュ」 のほうが、 ずっとずっと痛い。

被災地のガレキの映像、 いらないと思いました。
それと、 冗長すぎる。
主人公の住田君 (染谷将太) はとてもいい雰囲気を持ってます。
あ、 久しぶりに見た窪塚洋介が光ってたなあ。

ラストシーンの 「住田ガンバレ」 は、 被災地への、 原発事故後の日本に生きるすべての人間への 「ガンバレ」 とリンクしています。
私にはダメでした、 けど。
泣いてる方もいっぱいいらした感じでした。
ヘンかもしれないけど、
私はそういう人が好きで、 心底 「いい人だなあ」 と思って、
そっちのほうに感動した映画、 でありました。
屈折してるね。




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2012年01月30日 (Mon)
偶然ナオミ・ワッツつながり。
「愛する人」 は、先週骨董市出店から帰ってきた夜、 WOWOWでやってて、 何気なく観はじめたら最後まで観てしまった。
疲れてるのにい、 なんだかへんな映画観ちゃったなあ、 と思った。
最後まで観ちゃったということは面白かったのかな。
「養子縁組でそれぞれに傷ついている母と娘」 とか、 「母性」 とかがテーマ。(らしい。)
テーマ主義、 というんでしょうか。
どことなく観念的なんです。
なんで血縁にこだわるのかなあ、 と私なんか思っちゃいますが。
出産体験と育児体験って、 まったく別物だと思います。
「母性」 だって、 あらかじめあるものじゃない。
これは断言できる。

勤めたばかりの職場の上司 (サミュエル・L.ジャクソン) を誘惑して逆・半強姦したり、 同時にアパートの隣の部屋の男も誘惑しちゃったりするナオミ・ワッツの行動も、
あららら、 と思うだけで、 よくわかりませんでした。

「J・エドガー」 は、 なんでこんな人を撮ろうとしたのかがまずわからない映画でしたね。
せっかくのナオミ・ワッツがもったいない使われ方をしている。
封切り日に観たので、 これから観る人のために詳しく触れませんが、
ディカプリオ、 もうちょっと 「小僧っ気」 と熱演癖が抜けたら、 マーロン・ブランド的な怪優になるか、 オーソン・ウェルズみたいになるかもしれない、 と思いました。
老けメークが見物です。

イーストウッド、 今回は少しすべったな、 と思いました。




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2012年01月21日 (Sat)

かねてから何かと意見の合わないジャズ評論家の方がおられまして、
昔、 「パーカーやパウエルはビッグネームだからみんな我慢して聴いてるだけで、ほんとはいいと思ってないんだ。」 というくだりを読んで、
アホか、 と思っていたのだけど、
いや、 好みが合わないだけで、 長年ジャズ喫茶をやっておられる方だから、 読めば何か得るものがあるかもしれない、 今度みかけたら買って読んでみよう、 と思っていたのね。

最近見かけて、 ちょっと立ち読みした。
「ジャズボーカルとは?」 という、 自分にはタイムリーな疑問に、
答え。 「色気である。」
「ビリー・ホリディ、 エラ、 サラにはまったく色気を感じないからダメである。」
…それでね、 やっぱり買うのをやめたの。
(たぶんムカつくだけだと思ったから。)

最近天候も悪く、 店がひまなので、 ジャズの一人ミュージシャン特集をやっています。
というか、 一枚聴くとその人のが止まらなくなるの。
今日はチャーリー・パーカーでした。
ダイヤルとサボイのベスト盤をくりかえし。

そういえば、 自分で編集して、 パーカーのアドリブソロの部分だけをつなげた人がいたなあ。
それって邪道かなあ…?
いや、パーカーに限り、 いいんじゃない? と、 思う。
私だって聴いてみたいわ。
麻薬みたいなソロだもん。
そういう狂気なファンがいてもおかしくない。
さぞかしいい 「アルトサックス教本」 になるでしょうね… 。 

今日、 刺さったのは、
体調ボロボロのときの、 「ラヴァーマン」 と、 「ザ・ジプシー」。
「体」 がどっか行っちゃって、 「心」 だけが残って演奏しているような、
魂むきだし、 というような音。
決してブリリアントとは言えない演奏だけど、
これも名演とするのが、 ジャズという音楽のいいところで、
その証しに、 ダイヤルのベスト盤には必ず入っています。 

オーネット・コールマンの愛聴トラックだったそうで、
なるほどなあ、
「ロンリーウーマン」 だよなあ、
と思いました。






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