露地裏骨董。 気になる商品がございましたら、「商品の問い合わせ」欄からご連絡ください。詳細説明、追加写真などをお送りします。 国分寺市本町2-25-15 ℡ 090-1400-7141 12:00〜20:00(日曜13:00〜19:00)
Ⅰ「ドラゴンタトゥーの女」、 2「火と戯れる女」、 3「眠れる女と狂卓の騎士」、 各2時間半を一気に観ました。
(しかし、 このハリーポッター風の邦題、 なんとかならなかったのかな。)
二作目と三作目は 「つづく。」 のかたちで繋がっているので一気に観ないわけにはいかないのです。
スェーデンのニールス・アルデン・オブレヴ監督作品。
「ミレニアム」 という名の小さな左翼雑誌の出版社をベースとして、 奇々怪々な事件を解決する記者の男と、 天才ハッカーのパンクな女の話。
おもしろかったです。
「リンチとタランティーノを足して北欧ムードをかけて二で割った」 感じ?
近親相姦、 少女強姦、 レズ、 DV、 S、 となんでもありでかなりエグイです。
最近はオシャレデザインの国としてしかイメージになかったスエーデンだけど、 そういえば、 ハードコアポルノってのがあったんだっけと思い出した。
北欧パンクの過激さはハンパないしね…。
ヒロインのリスベット (ノオミ・ラバス)、
これが、 めちゃくちゃキレのある女なんだな!
これで新人だって。
お人よしで女好きでちょっとボケの記者ミカエル (ミカエル・ニクヴィスト) も (原作とはイメージが違うらしいけど) 地味だけど名演で、 とてもよかった。
女編集長は、 出ているあいだずっと 「カトリーヌ・ドヌーヴがびっくりしたみたいな顔」 だと思って観ていた。
カタルシスは、 三作目です。
リスベット、 だれかに似てるなあ、 とずっと思って観ていて、
二作目のパンクメイクじゃない顔を見て思い出した。
同業者のヨシミちゃんだ。
それからは心のなかで ヨシミちゃんあぶない! とか ヨシミちゃんいいよ! とか思いながら観てしまった。
今度ヨシミちゃんにあったら 「めちゃ強かったねー!」 と言ってしまいそう …。
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(しかし、 このハリーポッター風の邦題、 なんとかならなかったのかな。)
二作目と三作目は 「つづく。」 のかたちで繋がっているので一気に観ないわけにはいかないのです。
スェーデンのニールス・アルデン・オブレヴ監督作品。
「ミレニアム」 という名の小さな左翼雑誌の出版社をベースとして、 奇々怪々な事件を解決する記者の男と、 天才ハッカーのパンクな女の話。
おもしろかったです。
「リンチとタランティーノを足して北欧ムードをかけて二で割った」 感じ?
近親相姦、 少女強姦、 レズ、 DV、 S、 となんでもありでかなりエグイです。
最近はオシャレデザインの国としてしかイメージになかったスエーデンだけど、 そういえば、 ハードコアポルノってのがあったんだっけと思い出した。
北欧パンクの過激さはハンパないしね…。
ヒロインのリスベット (ノオミ・ラバス)、
これが、 めちゃくちゃキレのある女なんだな!
これで新人だって。
お人よしで女好きでちょっとボケの記者ミカエル (ミカエル・ニクヴィスト) も (原作とはイメージが違うらしいけど) 地味だけど名演で、 とてもよかった。
女編集長は、 出ているあいだずっと 「カトリーヌ・ドヌーヴがびっくりしたみたいな顔」 だと思って観ていた。
カタルシスは、 三作目です。
リスベット、 だれかに似てるなあ、 とずっと思って観ていて、
二作目のパンクメイクじゃない顔を見て思い出した。
同業者のヨシミちゃんだ。
それからは心のなかで ヨシミちゃんあぶない! とか ヨシミちゃんいいよ! とか思いながら観てしまった。
今度ヨシミちゃんにあったら 「めちゃ強かったねー!」 と言ってしまいそう …。
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写真は去年から店に貼っていたポスター。 ずっと貼っとこ …。
もう最高でした。
まだ幸福な余韻のなかにいます。
これからも、 幸福な記憶として何度も思い出すことでしょう。
いつものように、「この中でどれがほしい?」 なんて思わない。
全部ほしい。
というか、 うちの壁が、 床が、 ポロックであってほしい。
制作ビデオの中で履いていた、 塗料が飛び散った黒のハイカットスニーカーまでほしい。
昔まわりの男の子たちが大勢、 ポロックの真似をしていました。
大きなキャンバス (というかコンパネ) を床に置き、 絵の具をたらし、 投げつけ、 体ごとぶつかっていったり、 オートバイで轢いてみたり…。
(ここまでやるとポロックじゃないね。)
でもそうそう 「ラッキーな偶然」 なんて訪れやしないのです。
ポロックはもちろん偶然なんかじゃない。
「音楽を聴いてるみたいな絵画」 とは皆が感じることらしく、
普段ロックを聴いてる人は 「ロックだ。」 といい、 クラシックを聴いてる人は 「交響曲だ」 といい、
私は、 フリージャズだ、 と思いましたよ。
(オーネット・コールマンのその名も「フリージャズ」というLPジャケットにポロックを使った人は誰だったんでしょう?)
それも、 セシル・テイラーが鳴り響く。
新聞に 「くそったれのカオス (でたらめ) だ。」 と批判され、
ポロックは 「カオスなんかじゃない。 くそったれ。」 と応じた。
カオスなんかじゃないわよ、 くそったれ。
そのくせ晩年に、 親しい評論家に、
「これは、 絵なのか?」 ときいたらしい。
なんてチャーミングな人だ。
十年くらい前だったか、 「ポンピドー美術館展」 で一点だけポロックを観たことがある。
そのとき、 「古いな。」 と思った。
立体派もシュールも古臭いけど、 純粋抽象でも古くなるんだな、 と感心?したのを覚えている。
(そのとき古く思わなかったのはジャコメッティだけだった。)
今回全然そんなこと思わなかったのは、 充実した数が集まっていたからで、
やっぱり数と大作用のスペースが必要なのです。
立体派の影響にあった時期は、 まだセロニアス・モンク的なピアノを弾いていたセシル・テイラーみたいで、 絶頂期は 「インデント」 のテイラーみたい。
その後試行錯誤の時期と描けなくなる時期がやってくる。
彼はどうすればよかったんだろう? と、 ずっと考えています。
悲しくなるほど繊細だ。
彼は 「全部やられてしまっている!」 とピカソの画集を投げつけたそうだけど、 同じ思いでポロックの画集を投げつける人もいっぱいいそうですね。
日本初で、 難産の末の展覧会だったので次はないかもしれないのです。
行ける方はぜひ!
東京国立近代美術館 (竹橋下車)
5月6日まで。
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写真は、 いっとう好きなアルバム、 「Let Love Rule」(1989年。)
絵に描いたような王道のロックを、 聴いてまいりました。
2時間軽く踊りっぱなし、 家に帰って3時間寝て、 明け方昨日の骨董市へ。
今日になってから足の疲労感が… 。
何が王道かってね。
レイバンのサングラスにピッタピタの黒い革パンツ、 でしょ。
(お腹が出てなかったのでとりあえず安心。)
太い二の腕のタトゥーとそれと同色のやはりピッタピタのタンクトップ。(遠めには全部タトゥー?と思っちゃった。)
それに裾がギザギザの黒の革ロングベスト。
レスポールギター。
ギュインギュインの70年代なプレイのギタリストは、 若いのに、 肩より長いロングのパンチパーマなのっ。 (あのヘアスタイルなんて言うんでしょう。)
で、 レニーと背中合わせにのけぞって、 ギターデュオ。
(ここまで話したらヒロカが、 恥ずかしい! と顔を覆った。)
いえいえ。
歌もヒット曲のオンパレードで、 聴きたい曲は全部聴けたし、
バラードは、 ファルセットがちょっと苦しいが、 やっぱり極上。
ラップとかテクノとかなんか新しいことをやろう、 とか、
バンドとしてのサウンドを追求しよう、 とか、
そういうことは何も考えてないみたいで。
ノーコンセプトで。
待てよ、 一人で楽器もボーカルもアレンジもこなしてアルバムを作っちゃうレニーのこと。
最近のアルバムでは新しいこともやってたし (おもしろくないけど)、 これがコンセプトだったのかな?
俺は70年代ロックが心底好きなんだ、 というのが伝わるコンセプト?
目をかけてきた (?) 私としては、
それでいいのだよ、 レニーくん、
と思っちゃいました。
いろいろな人のコンサート行ってみたとするでしょ。
動機はただその人の世界に浸りたいわけで、 新しいとか古臭いとか、 どうでもいいもん。
数年後にはそんなこと本当にどうでもいいことになってるもん。
深く浸らせてくれたら、 どんなスタイルでも、 それが最高。
「今何がきてる。 何が新しい。 」 ということしか頭にないミュージシャンは、 同じことしか頭にないファンと対応してるだけで、
そんなのは半年くらいで消費されちゃっておしまいだよ、
と思いました。
会場は、 「レニー!」 の野太い男の声が飛び交い、 もうちょっとでナガブチ状態。
三十代、四十代が多く、 ヒスのジャンパー率高し。 わかりやすい。
今後こんな王道ロックの人は出てこないだろうなあ、 出てきたらギャグかパロディだよなあ、 と思ったら、前に 「最後のロッカー。」 と書いたのもあながち間違ってないかも。
レニー、 一年半後にはまた来ます、 と言ってたけど、 あまり信用できない。
きっと 「14年後」 ですよ… 。
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骨董市の前夜は最低10時には就寝を、 と思ってるのに、 土曜は夜中までフィギュア世界選手権男子フリーを観てしまった。
高橋大輔選手のFPの曲、「Blues For Clook」 が、 最初聴いたときから好きです。
音楽としても最近めったに聴けない、 泥臭いドブルースで。
これはあれですね、 もろ 「酔いどれ」 の音楽ですね。 バーボンくさくてステキ。
フィギュアスケートというのは、 クラシック音楽やクラシックバレエと同じ、 正統ヨーロッパ文化の土壌のものという感じがしていて、 そういうのが苦手な私はあまり関心がなかった。
観るようになったのは、 ストリート系! と思った高橋選手が出てきてからだ。
スポーツ競技としてのフィギュアの判定基準 (変わるらしいし) にはシロウトで、
どのくらいシロウトかというと 「この選手、 衣装が減点。」 「笑顔加点。」とか言いながらお気楽に観てるわけで… 。
そんな私でも、
技術点はともかく、 演技構成点が、 P・チャン 90.14、 高橋 85.78、 というのは、 え、 なんで? と思った。
演技構成点って、 どれくらい審査員と観客を魅せられるか、 ってことじゃないの? 他に何かあるんだっけ?
大ちゃん、 演技構成でこれ以上何をすればいいのよ、 といったら、 夫が、
「審査員ブルースきらいなんじゃない。」
「(ジャンプやステップじゃないところでも) キャーキャー言われてるのがきらいなんじゃない。」
といった。
「いいじゃん、 それで。」
「もうベツモノだよ。」 と。
そうだよね。
フィギュアはスポーツ競技なんだし、 さらに人による判定種目なんだし。
高橋選手、 そこから突き抜けてしまった存在になったのだとしたら、
そのほうがずっとずっとずっと、 かっこいいじゃん、
と思いました。
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高橋大輔選手のFPの曲、「Blues For Clook」 が、 最初聴いたときから好きです。
音楽としても最近めったに聴けない、 泥臭いドブルースで。
これはあれですね、 もろ 「酔いどれ」 の音楽ですね。 バーボンくさくてステキ。
フィギュアスケートというのは、 クラシック音楽やクラシックバレエと同じ、 正統ヨーロッパ文化の土壌のものという感じがしていて、 そういうのが苦手な私はあまり関心がなかった。
観るようになったのは、 ストリート系! と思った高橋選手が出てきてからだ。
スポーツ競技としてのフィギュアの判定基準 (変わるらしいし) にはシロウトで、
どのくらいシロウトかというと 「この選手、 衣装が減点。」 「笑顔加点。」とか言いながらお気楽に観てるわけで… 。
そんな私でも、
技術点はともかく、 演技構成点が、 P・チャン 90.14、 高橋 85.78、 というのは、 え、 なんで? と思った。
演技構成点って、 どれくらい審査員と観客を魅せられるか、 ってことじゃないの? 他に何かあるんだっけ?
大ちゃん、 演技構成でこれ以上何をすればいいのよ、 といったら、 夫が、
「審査員ブルースきらいなんじゃない。」
「(ジャンプやステップじゃないところでも) キャーキャー言われてるのがきらいなんじゃない。」
といった。
「いいじゃん、 それで。」
「もうベツモノだよ。」 と。
そうだよね。
フィギュアはスポーツ競技なんだし、 さらに人による判定種目なんだし。
高橋選手、 そこから突き抜けてしまった存在になったのだとしたら、
そのほうがずっとずっとずっと、 かっこいいじゃん、
と思いました。
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昨日つげさんのことにふれたら、 クロコさんから熱いコメントをいただきまして、
返信をと思ったのですが、 コメント欄にはとても書ききれないと思い、
あらためて書いてみようと思いました。
つげさんのことは、 好きすぎてうまく書けるかどうか… 。
クロコさんは、 「タキシード猫クロコ・プリンセスの怠惰な日常」 というブログを書いていらして、 映画評や本、 日常のことなど、 とても共感できることが多く、 愛読させていただいております。
だからね、 意外じゃありませんでした。
つげさんの漫画を最初に読んだのは、 たしか女性週刊誌に載っていた 「チーコ」 と 「紅い花」 だったと思います。
(でもそんなことってあるかな? 思い違いかしら。)
漫画誌ガロもとても人気で (クロコさん、 早熟な高校生でしたね。) ガロの人気作家、 いっぱいいますけど、 (林静一、 鈴木翁二、 阿部慎一、 古川益三、 勝又進…、)
そしてみんな好きでしたけど、 つげさんほど心の深部までくいこんできた方はいなかった。
クロコさんと同じく、 私も完璧にヤラレていました。
それは当時の若者の共通項みたいなものだったかもしれません。
おかっぱの女の子のあだ名はチヨジ (「もっきり屋の少女」) だったし (いや、 チヨジの影響でおかっぱだった?)、
いつも白いランニングシャツを着ていた男の子は、「ねじ式」 と呼ばれていたっけ。
(ついでに言うと、 各大学に一人ずつ 「ゲバラ」 と 「ローザ」 がいて、 ギターやってる子は 「ジミ」 だった。)
「海辺の叙景」 ね、 最後の見開きのページがすごいですよね。
男の子が女の子にいいとこ見せようと、 雨の降る暗い海を必死になって苦しそうに泳ぐ。
女の子は涼しい顔して (吹き出しだけだけど、) 「ステキよ。」 「いい感じよ。」 と見物している。
つげさんが女の子とはこういうものだ、 と言ってるなら、 これでいいんだな、 と、 私、 思いましたもん。
「李さん一家」 も、 好きです。
もはや不条理に住み着く人の代名詞。 (あまりいないか?)
生活感むきだしの食堂などに入っちゃうと、 あまりにも 「リアリズムの宿」 だねえ、 などと言ったり。
《つげ感覚》 は、あちこちで顔を出しますね。
「やなき屋主人」、 「ゲンセンカン主人」 の女の色っぽいこと。
猫の足の裏を瞼にあててみる、 ね。 やってみた。
(馴れた猫でないと危険。)
たまたま行き会った知らない女と駆け落ちすることを妄想したり (旅エッセイ)、
真夏の暑くて人気のない道路でのエロチックな妄想の漫画とか、
どうせ出ていくんならためしてみよう、(「夜が掴む」) の幼児っぽさとか、
どれもちょっと笑えるんだけど、 自虐的な妄想を人が読んでも面白く描けるということは、 やっぱりすごく客観的な眼と優れたバランス感覚をお持ちなんだと思います。
友人の山田勇男さんの話。
山田さんも北冬書房 「夜行」 で漫画を描いているので、 あるパーティでつげさんといっしょになった。
つげさん、 さんざん自分のことを対人恐怖症で話すのが苦手、 と書いているので、 サインもらいたいけどためらっていたら、
つげさんの手にはちゃんと目立たないようにサインペンが用意されていた… 。
そういう人なんだよ、 と、 愛をこめて語っていたのでした。
つげさんは、 以前は調布布多天神の骨董市によく顔を見せたらしい。
私が出店し始めてから (2002年かな。) いらしていない。 残念。
お師匠筋の水木しげるさんは、何度もおみかけしましたが。
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返信をと思ったのですが、 コメント欄にはとても書ききれないと思い、
あらためて書いてみようと思いました。
つげさんのことは、 好きすぎてうまく書けるかどうか… 。
クロコさんは、 「タキシード猫クロコ・プリンセスの怠惰な日常」 というブログを書いていらして、 映画評や本、 日常のことなど、 とても共感できることが多く、 愛読させていただいております。
だからね、 意外じゃありませんでした。
つげさんの漫画を最初に読んだのは、 たしか女性週刊誌に載っていた 「チーコ」 と 「紅い花」 だったと思います。
(でもそんなことってあるかな? 思い違いかしら。)
漫画誌ガロもとても人気で (クロコさん、 早熟な高校生でしたね。) ガロの人気作家、 いっぱいいますけど、 (林静一、 鈴木翁二、 阿部慎一、 古川益三、 勝又進…、)
そしてみんな好きでしたけど、 つげさんほど心の深部までくいこんできた方はいなかった。
クロコさんと同じく、 私も完璧にヤラレていました。
それは当時の若者の共通項みたいなものだったかもしれません。
おかっぱの女の子のあだ名はチヨジ (「もっきり屋の少女」) だったし (いや、 チヨジの影響でおかっぱだった?)、
いつも白いランニングシャツを着ていた男の子は、「ねじ式」 と呼ばれていたっけ。
(ついでに言うと、 各大学に一人ずつ 「ゲバラ」 と 「ローザ」 がいて、 ギターやってる子は 「ジミ」 だった。)
「海辺の叙景」 ね、 最後の見開きのページがすごいですよね。
男の子が女の子にいいとこ見せようと、 雨の降る暗い海を必死になって苦しそうに泳ぐ。
女の子は涼しい顔して (吹き出しだけだけど、) 「ステキよ。」 「いい感じよ。」 と見物している。
つげさんが女の子とはこういうものだ、 と言ってるなら、 これでいいんだな、 と、 私、 思いましたもん。
「李さん一家」 も、 好きです。
もはや不条理に住み着く人の代名詞。 (あまりいないか?)
生活感むきだしの食堂などに入っちゃうと、 あまりにも 「リアリズムの宿」 だねえ、 などと言ったり。
《つげ感覚》 は、あちこちで顔を出しますね。
「やなき屋主人」、 「ゲンセンカン主人」 の女の色っぽいこと。
猫の足の裏を瞼にあててみる、 ね。 やってみた。
(馴れた猫でないと危険。)
たまたま行き会った知らない女と駆け落ちすることを妄想したり (旅エッセイ)、
真夏の暑くて人気のない道路でのエロチックな妄想の漫画とか、
どうせ出ていくんならためしてみよう、(「夜が掴む」) の幼児っぽさとか、
どれもちょっと笑えるんだけど、 自虐的な妄想を人が読んでも面白く描けるということは、 やっぱりすごく客観的な眼と優れたバランス感覚をお持ちなんだと思います。
友人の山田勇男さんの話。
山田さんも北冬書房 「夜行」 で漫画を描いているので、 あるパーティでつげさんといっしょになった。
つげさん、 さんざん自分のことを対人恐怖症で話すのが苦手、 と書いているので、 サインもらいたいけどためらっていたら、
つげさんの手にはちゃんと目立たないようにサインペンが用意されていた… 。
そういう人なんだよ、 と、 愛をこめて語っていたのでした。
つげさんは、 以前は調布布多天神の骨董市によく顔を見せたらしい。
私が出店し始めてから (2002年かな。) いらしていない。 残念。
お師匠筋の水木しげるさんは、何度もおみかけしましたが。
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