忍者ブログ
2024.11│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

露地裏骨董。 気になる商品がございましたら、「商品の問い合わせ」欄からご連絡ください。詳細説明、追加写真などをお送りします。                                                  国分寺市本町2-25-15     ℡ 090-1400-7141   12:00〜20:00(日曜13:00〜19:00)

2024年11月24日 (Sun)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2010年06月18日 (Fri)

のっけからなんですけど、私の涙は、安い。
たいていの映画では、どんなB級でも、どっかで泣く。 (かえって「涙の感動作」と言われてるもののほうが、全然泣けなかったりする。)
どんだけ安いかというと、一度TVドラマを途中から見て、ほんの五秒で泣いてしまったので、子供たちに 「はやっ!」とあきれられたことがあった。 (汽車に乗る出征兵士と、恋人の別れのシーン。 「生きて帰ってくるのですよ。」というセリフを聞いて。 恋人役は木村佳乃だった。)

で、音楽の力の話です。
このCD+DVDは、ユーキャンに教えてもらって、その後ずっと探していた。
四年かけて、世界中のストリートミュージシャンを録音、撮影、編集してつなぎ合わせ、音を重ねたりして一曲ずつ完成させていったもの。
「スタンド・バイ・ミー」と「ワン・ラブ」がいい。最初おずおずと歌い始め、サビのところで歌をたくさん重ねて盛り上がっていくところなど、編集がとてもうまいのです。
音楽は世界を変える、というプロジェクト。
基金はアフリカの学校設立などに使われている。
「ウィ・アー・ザ・ワールド」、「サン・シティ」、「ホープ・フォー・ハイチ」など、同様のプロジェクトがあるけど、(日本の音楽界は初動が遅いね) その主旨は主旨、音楽自体が良くなければ、私は買わないと思う。
ここらへんは、分けたい。
でないと「安い涙をもつ」私などは、ズブズブにはまるからね。

音楽の力って、くせものだと思う。
軍歌は戦意を高揚させるし、唱歌のような反戦歌は感傷を誘うし、肩組んで歌うインターは連帯を錯覚させるし…、ろくなもんじゃないと思うわ。
でも、そういう感情を排除したら、すべての音楽が成り立たない、とも思う。
だから、「これはくせものだよ。」 と思いながら、やっぱり安い涙を流すくらいでいいだろう、と思っているのです。



PR
2010年05月21日 (Fri)

「アンドロギュノスの裔(ちすじ) 渡辺温作品集」(薔薇十字社)という本がありまして。
なんかすごい因縁の深い本なのです。
最初に買ったのは、1970年前後の初版。
その後人に貸して、返ってこなかった。
しかたがないので古本屋で買いなおした。
(これを二回繰り返した。)
また山田勇男さんに頼まれて、神田の古本屋で探しだして送ったりした。
だから何度も買うことになったけど、今はたしかにウチにあるはず。
(先日、初めてお会いしたチエちゃんという方に、あるよ、貸すよ、と約束したのだ。)
と思って探したら、外箱はあるけど中身がない!
いろいろな人にすすめて貸しまくってたので、最後に誰に貸したんだったか…。もう、この本を探し出す気力も経済力もない。(買いなおす度に、倍々で高くなっていたのです…。)

渡辺温は、「可哀そうな姉」 と 「兵隊の死」 が有名で、アンソロジーに入ってたりするけど、私が好きなのは、「父を失う話」。

父に誘われて、小さな男の子が港まで散歩にでかける。
歩いている途中に、父の姿かたちが少しずつ変わっていき、だんだん自分の知らないお父さんになっていく。
港につくころにはすっかり 「知らない男の人」 になってしまった。
そしてその男の人は船に乗って行ってしまい、男の子はひとり港に残される。
…という、短いお話です。

私のかいつまみ方が下手くそなのでうまく伝わらないと思うけれど、この男の子の、人生というものに感じる根源的な不安と心細さと寂しさみたいなものを感じて、読むたびにいつも泣きそうになるのでした。

というわけで、この本をお貸しした方、このブログが目に止まったら返してね。それとも、国書刊行会あたりで、いいかげん出版してください。
ついでに「新青年傑作選」もぜひ再発を。



2010年04月28日 (Wed)

とっておきの、マイルスです。
とっておきが何人いるんだよといわれそうですが、大事な人のことこそなかなか書けないもんで、今日は、意を決して…。
91年の9月、マイルスが亡くなったときすぐ、くたくたにゃん氏からの電話が鳴った。
「マイルス、死んだね。」
「死んだね…。」
「もう終わったね。」
「終わったね。」
たったそれだけを言い合うために。
終わったのが何なのか、二人とも口にしなかったけど。
そして、その通りだった。
私のジャズ歴はマイルスで始まって、マイルスが亡くなったとき、きっぱり現役の 「ジャズ聴き」 じゃなくなった。
現役 (新譜を楽しみにしてるミュージシャンがいる、とか、新録や新人にアンテナはってる、とか。) じゃなくても、過去の遺産だけで生きていけるし。
マイルスの遺産はたっぷりあって、未発表やブートも数しれなく出て、でも人生残り少なくなってきたし今持っている正規盤だけで十分だと思った。

このCDは、いつだったかなあ、昔たまたま輸入CD屋さんで見かけて、玉石混淆の未発表盤? と思ってあまり期待せずに買ったら、すごい大当り。
その後国内盤も発売されました。
88年、89年のあちこちのライヴを集めたものです。
ケニー・ギャレット(as)が泣かせる。
最初は気の利かないソロしか出来ない不器用な若僧で、マイルスなんでこんなの入れたんだろう、と思っているうちに、マイルスの励ましで (映像で見ると、プレッシャーかけてるとしか思えないが) どんどん上手になり、この中では目の覚めるような、捨て身てひたむきな、泣けるようなソロをやっている。
(マイルスが死んだあとまただめになっちゃった。 強いリーダーのところにいた人はそういう人が多い。)

八十代のマイルスのCDは、「ザ・マン・ウィズ・ホーン」はあまり聴かず、「アマンドラ」「ユア・アンダー・アレスト」「ドゥー・バップ」などは手放し、これは自分にとって最後の傑作と思っています。
(ただ、自分にとってマイルスのピークはやっぱり六十年代、七十年代だと思っていますが…。)
九十年代には、91年パリコンサート、という、これもいろんな意味で泣けるのがあるね。

これからジャズを聴いてみたい、という人に、いつもこう言っています。
「マイルスの音楽と、マイルスグループにいた人たちを追っかけて聴けばいいんじゃない?」
 それで全てとはいわないけど、かなりの範囲をカバー出来るよね。
とにかくマイルスは、歴代の奥さんにどれだけ遺産を残したか知らないけれど、私にも残りの人生で使えきれないくらいの遺産を残してくれたのでした。



2010年04月16日 (Fri)
観たそばから正確なタイトル忘れたけど、というのを、観てきました。
ほんとにアクション映画でした。
ティム・バートンのバットマンシリーズか、007シリーズみたい。
ガイ・リッチー監督は、昔の 「ロック、ストック…」 がすごく面白かったので、結構楽しみにしていたのですが、もうちょっと!という感じだったな。
もう少しホームズの推理を楽しみたかったし、イギリス映画らしいおしゃれなユーモアのある会話がほしかったです。
悪役がね、ちょっとショボかった。
悪役は映画のキモだと思うので、もっと重みのある人にやってほしかった。
でもともあれ、ロバート・ダウニー・Jr.のホームズと、ジュード・ロウのワトソンは、楽しめました。
これだけ、といっていい。
フィリップ・マーロウみたいなハードボイルド系の、薄汚いだらしないホームズと、あきれながらもサポートするワトソン。

最近 「ヒロトとマーシー」 のようだ、ということをよく思います。
布多天神にもいるのですよ。
三巧堂さんとYさんを見ていて、 「ヒロトとマーシー」 のようだ、とときどき思います。 (あ、関係のことを言ってるんで、それぞれがヒロトとマーシー並だと言ってるんじゃないですからね。ファンは怒らないように。)
ホームズとワトソンを見ても思いました。
ひょっとしたら世界のあちこちにいる、普遍的な関係かもね、ヒロトとマーシー。
2010年03月29日 (Mon)

「日本語が滅びるとき」 で有名な水村美苗の、苦くて (帰国子女というには) 長すぎた、アメリカ体験記です。
アメリカ旅行中にずっと読んでたので、久しぶりの旅行なのに浮かれた気分になれなかったのはこの本のせいかもしれない。
おかげで、今回の旅行は、「アメリカの憂鬱」 と 「日本の憂鬱」 を数え上げる感じで過ごしていた。
彼女は中学生のときに、一家でアメリカに移住。
「アメリカナイズ」 されていく姉とは対称的に、日本文学と明治、大正の日本を愛する少女でした。

どういう風に苦いかといえば。
日本では 「迷子にならないように」 という不安が、「殺されないように」 という不安にいつのまにか変わっていったこと。
コリアン、チャイニーズと識別されない、ただの 「東洋人」 として扱われること。
ネイティブな英語を話さない 「白人じゃない人種」 に対する微妙な差別。

二、三年に満たない滞在の日本人は、たいてい 「アメリカ大好き」 になって帰国します。 わが家もそのクチでしたが、しかもリベラルといわれる土地柄でしたが、それでもこういう苦さは思い当たるものがあります。
短期滞在じゃない邦人は、いかばかりでしょう。(かれらは顔つきが違います。厳しい、しまった顔つきになっている。)

かたや日本は。
街中でもそうそう 「殺される」 気がしないのはいいとこだけど。
いやなのは、人権より印象や気分で人を攻撃したりとか、かなあ。
本人の問題なのに親、親族までひっぱりだしたり。 (「村」か、って思う。)
でもこれって、「寅さん」的な、人情とか情緒とかの裏返しなんだよね。
そこをなんとか、人情と人権の折り合いをつけられないものか、と思う。
一番耐えがたく思うのは、とてもアジア的な、なんか真綿で首を絞められるような 「同調圧力」、だな…。戦中の隣組だって今の町内会だって新聞などのマスメディアだってネットの口コミだって、一つ間違えばいつだって 「大衆ファシズム」 に変貌する、(してきた。) ということはいつも押さえておいたほうがいい、と思っております。
じゃアメリカの赤狩りの時代は何だ、と言われると困るんだけど。
うーん、「日本の憂鬱」 じゃなくて 「人類の憂鬱」 かも…。
なんか結論がグダグダになってきました。



Prev14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24  →Next
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[06/13 リルコ]
[06/12 徘徊中年]
[04/25 リルコ]
[04/22 くたくたにゃん]
[04/11 リルコ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R